赤ちゃんが成長に十分な量の母乳を飲めているのかどうか、母乳育児をしているママさんなら一度は気になったことがあると思います。母乳不足の場合はミルク混合で栄養を摂取する必要があるかと思いますが、実際は十分な量の母乳がでているのにミルクを足してしまうことにより、授乳間隔が長くなり、結果的に母乳の分泌が徐々に少なくなってしまうことがあります。これは母乳不足ではなく、母乳不足感からくるミルクの飲ませすぎだそうです。せっかく母乳の分泌が盛んなのに、自ら少なくしてしまってはもったいないですよね。私自身授乳中は、自分は母乳不足なんだと思い込んで辛い日々を送っていました。授乳時間が苦痛だったり、また空き時間があれば授乳に関する本や記事を読み漁っていました。そんな当時の私のような悩めるママ達へお送りしたいのがこの記事です。

ここでは母乳不足のサインと、母乳不足感について筆者が実践していた内容をまとめたいと思います。

母乳の出るメカニズム

母乳をつくるホルモン、プロラクチン

出産後、”妊娠ホルモンであるプロゲステロンのレベルが下がり(羊水が出た後に下がり始めます)、プロラクチン、インスリン、ヒドロコルチゾンなどの母乳分泌ホルモンが本格的に始動するのを待っている状況です。こうしたホルモンが母乳分泌を開始し、軌道に乗せます。”(引用元:Medela HP)

上記のように、母乳が作られるためには、プロラクチンというホルモンの分泌が必要です。プロラクチン濃度は産後急速に上昇しますが、このまま授乳をせずにいるとわずか2日程度で元のプロラクチン濃度まで下がってしまいます。母乳育児を早く軌道に乗せたい方は出産後はなるべく早く授乳を開始することが鍵となってきます。その後、プロラクチン濃度は母乳を出す度に上昇します。そして授乳後、2時間程度の時間をかけて緩やかに下降していきます。十分な母乳を作るためには、このプロラクチン濃度が下がりきる前に次の授乳を開始する必要があります。産後1ヶ月で母乳分泌を確立するために頻回授乳が必要なのはこのためです。また、産後3か月以上経ってしまうと産後1ヶ月でみられるようなプロラクチンの急上昇は見込めないのが普通です。

母乳育児を軌道に乗せるためにはスタートダッシュが肝心です。また、プロラクチンは夜間に特に濃度が高くなる傾向があるようです。夜間授乳は母乳量を増やすためぜひ行いたいですね。

母乳をだすのに必要なホルモン、オキシトシン

プロラクチンによって作られた母乳を外に出すホルモンがオキシトシンです。赤ちゃんが乳頭をリズミカルに吸う、吸てつ運動を開始すると、オキシトシンが分泌され射乳反射(乳汁が勢いよくでてくること)がおこります。この射乳反射が始まるタイミングは個人差があり、赤ちゃんがおっぱいを吸い始めてから、早いお母さんで7秒くらい~2分後くらいまでの幅があるそうです。また継続時間も個人差があり、30秒ほど続く人、もっと長く継続する人、またその時の体調にも左右されます。オキシトンの分泌にはリラックスした気持ちでいることが重要です。おっぱいを飲む赤ちゃんの姿はかわいくて見ているだけで癒されますよね☆ぜひ授乳タイムをゆったりと幸せな気持ちで過ごしてください♪

リラックスするために楽な授乳姿勢をみつけるのも大切です。授乳クッション必須でした。

十分な量の母乳を飲めている赤ちゃんのサイン

十分な量の母乳をのめている赤ちゃんのは以下の状態が見られます。

  • 体重が成長曲線に沿って上昇している
  • おしっこの回数が正常であり、色が濃すぎたりする脱水の症状がみられることがない

これ以外にも機嫌がよい、などの指標もありますが、これは個人差があり母乳が足りているからといって泣かないわけではないのです。飲みすぎていたり、ゲップがしたかったり、眠かったり、他の状態で泣いている場合があります。

心配な方は乳児用体重計を買って、赤ちゃんの体重を測ってあげることをおススメします。ママの性格にもよりますが、筆者のような細かい性格の人は足りてるのかどうが悩んでいるよりも数字で確認して安心しておくと精神衛生上よいかと思います。。

長く使うものでもないので、レンタルでもいいですし、デパートの授乳室や、児童館等でも貸出があると思います。私が使ったのはタニタのNometaというベビースケールです。

母乳不足の赤ちゃんのサイン

反対に、母乳不足のサイン2つだけです。

  • 体重が成長曲線に沿って上昇していない
  • おしっこの回数が極端に少ない、または色が濃すぎたりする脱水の症状がみられる

機嫌が悪いからといって母乳不足とは限らないそうです。以下で詳しく説明します。

母乳不足だと思ってしまう誤解について

授乳間隔が3時間あかないのは母乳が十分に出ていないからではない?

産院では3時間おきに授乳タイムがやってきました。そのため、家に帰ってからも授乳は3時間おきを目安にすればいいのだな、と勘違いする方が多くいると思います。しかし、実際は赤ちゃんが欲しがったらあげる赤ちゃん主導の授乳をすることによって需要と供給がだんだん合ってきて母乳育児がうまくいくようです。前の授乳から45分後かもしれないですし、2時間後かもしれないです。欲しがったら、「まだ前回の授乳から時間がたっていないのに。。」とためらわずにどんどんあげていきましょう。

赤ちゃんが頻繁に泣くのは母乳不足が原因ではないの?

前回の授乳から間隔があかずに赤ちゃんが泣いていると、「やっぱり母乳が足りていないのかな。。」ときになってしまう方が多いと思います。しかし、驚いたことに、以下の症状は正常であり、母乳不足の原因ではないのです!

  • 赤ちゃんが頻繁に飲みたがる
  • 赤ちゃんが下に置かれるのを嫌がる
  • 赤ちゃんが夜中に目を覚ましている
  • 授乳時間が短い
  • 授乳時間が長い
  • 赤ちゃんが授乳後にボトルから飲む
  • 初期の数週間よりも乳房が柔らかく感じる
  • 乳房から母乳が漏れない、または漏れていたのに止まった
  • 母乳をたくさんさく乳できない
  • 乳房が小さい (引用元:Medela HP)

筆者は上記の症状がみられる事が多く、私は母乳不足なんだと思い込んで辛い日々を送っていました。授乳時間が苦痛だ、、でもなんとか母乳育児を続けたく、授乳に関する本や記事を読み漁っていました。体重の増加とおしっこの量が正常なのにもかかわらず、上記の項目にあてはまるからといって母乳が足りていないからと思い込むことは、母乳不足ではなく母乳不足感なのです。

ではなく完全母乳を目指したいなら、母乳不足感からくるミルク追加をなるべくしない方がよい理由

はじめにも書きましたが、これは母乳が作られるメカニズムを大きく関係しています。母乳を作るためのホルモン、プロラクチンの濃度を下げすぎては十分な量の母乳が作られません。しかし、粉ミルクを足してしまうと、赤ちゃんのお腹が満足し、次の授乳までの間隔があいてしまいます。また、粉ミルクは母乳に比べると消化が悪く腹持ちがいいことも授乳間隔があく要因になるようです。

しかし、ミルクを全くあげてはいけないとご自身を追い込む必要はないと個人的には考えています。適度にミルクを挟んだりして、リラックスしながらご自身と赤ちゃんに一番いい方法を探っていってくださいね☆

母乳不足と感じている人は、搾乳をうまく取り入れて母乳の分泌を軌道に乗せよう

頻回授乳が難しい時は搾乳をうまく取り入れよう

特に産後~3か月くらいまではなるべく頻回授乳をして授乳間隔をあけないことが母乳育児を軌道にのせるのせるためには大事だとお伝えしました。しかし、赤ちゃんが長く寝ていて授乳できないこともありますよね。そんな時は搾乳をうまく取り入れる事をおススメします。搾乳は手でもできますが、絶対的にダブルポンプの電動の搾乳機をおススメします。

私が使用していたのはメデラの電動搾乳機です。

実際に使ってみてわかった電動搾乳機をおススメする理由

筆者は実際に電動の搾乳機を使用していました。はじめは手で行っていたこともありましたが、以下の理由から手では行わなくなりました。

  • コツがなかなかつかめず乳頭が痛くなる
  • 時間がかかる
  • 射乳反射の時間内で効率よく絞り出せずに量が少なくなってしまう

電動搾乳機を使うメリットをまとめました。

  • 乳頭をつままないため痛くなることがない
  • 射乳反射が起きているときに効率よく母乳を絞り出せる
  • 手を使わないのでとにかく楽ちん
  • 手を使わないので衛生的の母乳を保存できる

ダブルポンプ型の電動搾乳機をおススメする理由

また、できれば両側のおっぱいから同時に搾乳できるダブルポンプ型をおススメします。なぜかというと、射乳反射がおきているときは刺激されている側のおっぱいだけではなく、両側のおっぱいの反射がおこります。片側だけの搾乳機だと、反対側から流れ出てくる母乳を捨てるか、何かためられる容器で受け止める必要があります。

ダブルポンプ型電動搾乳機のメリット

  • 射乳反射中に流れ出てくる反対側の母乳もしっかりと吸い出すことができる
  • 片側だけだと同じ作業を2回するので2倍の時間がかかるため、時間の節約になる

日本製だとピジョンが有名ですね。

メデラは外出先でも搾乳できるフレックスタイプもあります。

まとめ

母乳育児で悩み、色々な事勉強する必要があった私が行きついた母乳育児に必要な情報をまとめました。この情報をまとめるまでに様々な誤った情報に踊らされたりもして、信頼できる文献に出会うまでにかなり時間を要してしまいました。搾乳機のMedelaのサイトにか科学的根拠のある母乳に関する情報が掲載されていました。細かいところまで勉強されたい方は一読することをおススメいたします。(私自身の感想で、宣伝ではありません。)親子がいたら親子の数だけ授乳方法がある、と思います。正しい知識を理解したうえで、ご自身とお子さんにあった方法を見つけていってくださいね♪